親知らずとは?
皆さんは、ご自身のお口の中に親知らずが生えているか把握されていますか?
「親知らず」という言葉は知っているけれど、実際にどの歯が親知らずなのか知らないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
親知らずは、他の歯とは少し違います。
まずは親知らずがどんなものなのかを一緒に知っていくことから始めましょう。
親知らずって何?
「親知らず」とは、簡単に言うと「お口の最も奥に生えている大きな臼歯」のことです。
他の歯と違い、乳歯が抜けて生えてくるものではなく、一定の年齢ごろになると生えてくるという特徴があります。
また、生え方にも少し問題が出ることが多いのも親知らずの特徴と言えるでしょう。
親知らずはいつ生えてくる?
親知らずが生えてくるのは、10代後半から20代前半が一般的です。
乳歯が生えている間や永久歯への生え変わり時期(混合歯列期)には、基本的に生えてきません。
親知らずは、なぜ「親知らず」と言うのか
「親の目の届かなくなる時期に生えてくる」と言うことから親知らずと呼ばれるようになりました。
また、物事の分別がつく年齢に生えてくる歯という意味から「智歯(ちし)」と言う別名もあります。
親知らずの正式名称は「第三大臼歯」と言います。
親知らずは絶対に生えてくる?
患者さんの中には「親知らずが生えてこない」「4本揃っていない」と言うお悩みを抱えている方がいらっしゃいます。
親知らずは、他の歯と違い、必ず生えてくるというものではありませんのでご安心ください。
1本だけ生えている、全く生えていないという方も増えてきています。
親知らずの生え方の種類
親知らずは、さまざまな理由から抜歯が必要となるケースがあります。
その理由の一つが「生え方」です。
現代人は顎が小さくなってきたと言われていますが、その結果、歯が生えるスペースがなくなり、親知らずが正しく生えてこないという問題が起こるのです。
他の歯並び同様に、まっすぐ生えている
親知らずはまっすぐに生えないとこが多いのは事実ですが、他の歯と同じ方向に正しく生えてくることももちろんあります。
まっすぐ、正しく生えている親知らずは、必ずしも抜歯が必要な状態ではありませんのでご安心ください。
隣の歯に対して横向き、斜めなどに生えている
親知らずのお悩みで最も多いのが、横向きや斜めに生えているというケースです。
隣接する歯に影響を及ぼしたり、噛み合わせを悪くしてしまったりと、さまざまな問題に発展する場合があります。
一部だけが見えている、広範囲が歯茎に埋まっている
歯全体が萌出しきれず、一部だけ歯茎から出ている状態も親知らずではよくあるパターンです。
舌や指で触れた時に正しい歯の形をしていない場合は、広範囲が埋まった状態かもしれません。
ブラッシングがしづらくなるため、虫歯や歯周病のリスクが高くなってしまうでしょう。
完全に歯茎に埋まってしまっている
親知らずが完全に埋まっていると、患者さんは「生えていない」と思われるでしょう。
しかしレントゲンで見ると歯茎の中に埋まっているというパターンは意外と多く、お口全体の健康を考えて抜歯を検討する必要も出てきます。
親知らずがあることによるリスク
通常であれば、歯を抜くということは治療の最終手段です。
しかし、親知らずは基本的に抜歯しても問題がない歯とされています。
むしろ不要な親知らずを保存することがお口全体にとって大きなリスクにつながることもあるということを知っておきましょう。
親知らずによって虫歯や歯周病が発生することがあります
斜めに生えていたり横向きに生えていたりする親知らずは、親知らず自体というよりもその手前の歯に対して大きなリスクを与えます。
正しく生えていない親知らずがあることでブラッシングが行き届かなかったり、隙間に汚れが蓄積しやすくなったりして、その部分から虫歯や歯周病といったトラブルが発生することがあります。
親知らずが歯並びに影響することがあります
歯茎に埋まっている親知らずは、知らず知らずのうちに隣の歯を前に押し出してしまうことがあります。
歯に不要な力がかかり続けることでお口全体の歯並びや噛み合わせが悪くなってしまうことが懸念されるでしょう。
負担の大きな治療に発展する可能性があります
正しく生えていない親知らずは、虫歯のリスクが高い状態です。
もし虫歯になって歯茎が腫れてしまうと、激しい痛みを生じます。
痛くなってからでは、すぐに抜歯をすることができなくなるため、治療の負担が大きくなってしまうでしょう。